ペットのハムスターが死んだ。
夜、寝つけないでいると、ぼんやり明るい天井の隅に目を止める。
窓の外から月明かりが差し込んでいるからだな。
そう思って見つめていたら、
丸い光は、くるくるまわって、ふっと消えた。

著:相枝静花

「怖い」だけが全てじゃない

幽霊や心霊現象という科学や常識の枠を越えたものは基本的に恐怖の対象であり「起こってほしくないこと」だと思われている。もちろん私も例に漏れず、心霊現象に対しては同様の感情がはたらく。しかし、もしその幽霊が「大切な人」であればどうだろう。

もう二度と会えないはずの誰かともう一度会えるチャンスがあれば、きっと「起こってほしくないこと」などとは思わないはずだ。

本作では「丸い光」が一体何だったのかは語られていない。本作の語り手はその光を「起こってほしくないこと」だと感じただろうか。本作は「その先」を考えさせられる素敵な作品である。

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