100文字物語

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いたずら

いたずら 電柱に花を置いてみた。 すると道行く人が勘違いをして、そこに花を供えるようになった。 可笑しくて笑っていると、ある日の夜。 夢で見知らぬ少女がお礼を言ってくる。 朝、起きると部屋の隅に、少女の霊が佇んでいた。 著:...
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死期

死期 コンビニの自動ドアが、反応しない。 知人に、気づかれにくい。 そして夢に死んだ祖母が出てきては、迎えに来たよと言われてしまう。 ある日、目覚めたら自分は立っていた。 ベッドを見れば、息を引き取った自分がいた。 著:相枝...
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どっちがドッペルゲンガー?

どっちがドッペルゲンガー? 玄関のドアノブが、ガチャガチャと回されている。 怖くて息をひそめ、隠れていると、何度も乱暴にドアが叩かれる。 おそるおそる玄関ドアに近づいて、ドアスコープを覗いてみると……。 自分が困った顔して立っていた...
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血濡れの顔

血濡れの顔 写真に映る自分の顔が、きらい。 だから写真の顔にカッターで傷をつけていく。 広いおでこがいや。ぐさり。 そばかすのある頬がいや。ぐさり。 分厚い唇も、細い目も……あれ? 顔を触ると、ぽたぽたと滴るこれは……血? ...
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眼鏡

眼鏡 「今日は眼鏡かけてないんだ」 「うん。寝坊したから時間無くて忘れてきちゃって」 「ふーん……。でも俺はそっちの方が、その……良いと思うな」 「ふふっ、ありがとう。あなたも眼鏡かけてない時のほうが素敵よ」 著:しぐれ ...
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亡き人の恋

亡き人の恋 僕は部屋の整理をしていた。高校生時代の思い出たくさんがあった すると、高校のブレザーに紙切れが入ってた。 幼馴染からみたいだ 読むと僕が好きだって書いてた。 死んだ幼馴染の手紙。僕は泣いた。 著:白石こゆぎ ...
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入れ替わり

入れ替わり 等身大の鏡に映る自分が、ふいに鏡から出てきた。 驚いて硬直していると、自分が私を見つめて微笑んだ。 「次は私がこちら側」 鏡の中にいたはずの自分が私の手を掴み引っ張って、 そのまま私は鏡の中へ入ってしまった。 著...
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生徒の中に

生徒の中に 私の学校では、生徒の中に妖怪が紛れていることがあるらしい。半信半疑だったが、ある日見てしまった。 クラスの男子の髪の隙間から、小さな角が生えていることに。 「あのさ……」 話しかけると、彼はにこりと笑った。 ...
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首なし死体

首なし死体 逢魔が時に鏡を覗き込むと、自分の死に顔が見れるらしい。 試してみると、鏡に映る私の首から上が全部消えていく。 一年後、不幸にも私はトラックに轢かれて死んだ。 身体と首が離れ、私の視界は、ころころと転がった。 著:相...
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魂 ペットのハムスターが死んだ。 夜、寝つけないでいると、ぼんやり明るい天井の隅に目を止める。 窓の外から月明かりが差し込んでいるからだな。 そう思って見つめていたら、 丸い光は、くるくるまわって、ふっと消えた。 著:相枝静...
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