100文字物語 いたずら いたずら 電柱に花を置いてみた。 すると道行く人が勘違いをして、そこに花を供えるようになった。 可笑しくて笑っていると、ある日の夜。 夢で見知らぬ少女がお礼を言ってくる。 朝、起きると部屋の隅に、少女の霊が佇んでいた。 著:... 2021.03.19 100文字物語ヒューマンホラー
100文字物語 死期 死期 コンビニの自動ドアが、反応しない。 知人に、気づかれにくい。 そして夢に死んだ祖母が出てきては、迎えに来たよと言われてしまう。 ある日、目覚めたら自分は立っていた。 ベッドを見れば、息を引き取った自分がいた。 著:相枝... 2021.03.18 100文字物語ヒューマンホラー
100文字物語 どっちがドッペルゲンガー? どっちがドッペルゲンガー? 玄関のドアノブが、ガチャガチャと回されている。 怖くて息をひそめ、隠れていると、何度も乱暴にドアが叩かれる。 おそるおそる玄関ドアに近づいて、ドアスコープを覗いてみると……。 自分が困った顔して立っていた... 2021.03.18 100文字物語ホラー
100文字物語 血濡れの顔 血濡れの顔 写真に映る自分の顔が、きらい。 だから写真の顔にカッターで傷をつけていく。 広いおでこがいや。ぐさり。 そばかすのある頬がいや。ぐさり。 分厚い唇も、細い目も……あれ? 顔を触ると、ぽたぽたと滴るこれは……血? ... 2021.03.17 100文字物語ホラー
100文字物語 眼鏡 眼鏡 「今日は眼鏡かけてないんだ」 「うん。寝坊したから時間無くて忘れてきちゃって」 「ふーん……。でも俺はそっちの方が、その……良いと思うな」 「ふふっ、ありがとう。あなたも眼鏡かけてない時のほうが素敵よ」 著:しぐれ ... 2021.03.17 100文字物語やられた
100文字物語 亡き人の恋 亡き人の恋 僕は部屋の整理をしていた。高校生時代の思い出たくさんがあった すると、高校のブレザーに紙切れが入ってた。 幼馴染からみたいだ 読むと僕が好きだって書いてた。 死んだ幼馴染の手紙。僕は泣いた。 著:白石こゆぎ ... 2021.03.17 100文字物語ヒューマン
100文字物語 入れ替わり 入れ替わり 等身大の鏡に映る自分が、ふいに鏡から出てきた。 驚いて硬直していると、自分が私を見つめて微笑んだ。 「次は私がこちら側」 鏡の中にいたはずの自分が私の手を掴み引っ張って、 そのまま私は鏡の中へ入ってしまった。 著... 2021.03.17 100文字物語ホラー
100文字物語 生徒の中に 生徒の中に 私の学校では、生徒の中に妖怪が紛れていることがあるらしい。半信半疑だったが、ある日見てしまった。 クラスの男子の髪の隙間から、小さな角が生えていることに。 「あのさ……」 話しかけると、彼はにこりと笑った。 ... 2021.03.16 100文字物語ホラー
100文字物語 首なし死体 首なし死体 逢魔が時に鏡を覗き込むと、自分の死に顔が見れるらしい。 試してみると、鏡に映る私の首から上が全部消えていく。 一年後、不幸にも私はトラックに轢かれて死んだ。 身体と首が離れ、私の視界は、ころころと転がった。 著:相... 2021.03.16 100文字物語ホラー
100文字物語 魂 魂 ペットのハムスターが死んだ。 夜、寝つけないでいると、ぼんやり明るい天井の隅に目を止める。 窓の外から月明かりが差し込んでいるからだな。 そう思って見つめていたら、 丸い光は、くるくるまわって、ふっと消えた。 著:相枝静... 2021.03.16 100文字物語ヒューマン