引きずる音
子供が寝静まって、夫が帰ってくるまでの夜8時から10時の間。
何日経っても、上の部屋から何かを引きずる音が聞こえてくる。
気味が悪いと思った私は、事務所へ連絡した。
「その部屋は、空室ですよ」
作:相枝静花
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「いない」が「いる」
誰しもがこの物語に近い経験をしたことがあるのではないでしょうか?
「いない」はずの何者かの気配を感じる瞬間。ホラー映画を観た日の真夜中なんかは変に意識をしてしまい余計に「いる」ような感じがしますよね。
しかし本作の舞台は20時〜22時。所謂、丑三つ時ではなく人間がまだまだ活動をしている時間。そして聞こえる「何かを引きずる音」。いやいや「引きずる音」って怖すぎでしょ。
存在する誰かが「何か」をしているのか、それとも「いない」はずのなにかがそこに「いる」のか・・・。
想像させられる見事なホラー100文字物語でした。
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